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米糠に含まれているガン抑制物質について

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穀物中心の食事は癌を減らす

病気を治すのは、医者や薬品ではありません。自己免疫力です。


”免疫力アップには毎日食べる無農薬や有機栽培のおこめです!!

健康セミナー 米ぬかに含まれているガン抑制物質について
自然が育んだん健康への贈り物「IP6」
注目の物質は米ぬかに含まれていた。   東京大学名誉教授  医学博士  石川隆俊先生。

石川隆俊先生のプロフィール

東京大学医学部卒。昭和50年東京大学医学博士学位授与。
癌研究所勤務(研究員、部長)を経て平成元年、東京大学医学部教授。

平成9-11年、東京大学医学部長、評議員。平成12年5月、東京大学名誉教授、
平成12年4月からは、大学評価、学位授与機構教授に就任。
厚生労働省医道審査会委員、文部科学省学術審議会専門委員など兼職。
日本病理学会、日本癌学会、米国癌学会、
日本疾患モデル学会、日本色素細胞学会所属、
評議員、理事、名誉会員などの役職を勤める。
1998年6月、京都にて「IP6と米の構成成分による
疾病の予防」国際シンポジウムをジャムスディン博士とともに開催。
日本におけるガンとIP6研究意の第一人者。

私たち日本人の食生活の中心となってきたお米。

そのお米を守るように取り巻く米ぬかの部分に、抗ガン作用抗酸化作用といった働きを持つさまざまな成分が含まれていることが分かってきました。

その中でも特に注目されているのが、「IP6(アイピーシックス)」という物質。

今回は天然の抗ガン物質とも呼ばれるIP6について、ガン研究の第一人者石川隆俊先生

のお話を紹介します。

「IP6」(イノシトール6リン酸/フィチン酸)ガンを抑制する

穀物中心の食事は癌を減らす
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私の専門領域は実験病理学でして、その中でも特にガンの発生メカニズムの研究を手がけてきました。

「ガンがなぜ発生するのか、どのような仕組みで増殖していくのか」という研究を続けていく過程で着目したことの一つが、さまざまな食物に含まれる成分が、ガンを抑制する働きを持っているのではないか?と言う点でした。

その中でも特に私自身が興味をひかれ、研究の対象としたのが「IP6」(イノシトール6リン酸/フィチン酸ともいう)だったのです。

 IP6という、一般の方には耳慣れないこの物質に注目が集まり始めたのは最近のことで、その先駆けとなったのが米・メリーランド大学のガン研究の第一人者・シャムスデン博士の研究でした。

博士は国別の「大腸がんの増加と食物繊維摂取量」との関連に着目し、食物繊維の中に含まれるイノシトール、特にIP6がガンの抑制に大いに寄与するという研究発表をしたのです。

 興味深い例をあげると、デンマーク人の、大腸がん抑制に寄与されるとされてきた「食物繊維摂取量」は、お隣の国フィンランド人の約2倍なのですが、なんと大腸がんの発生率はフィンランド人の方がデンマーク人の半分なのです。

 この奇妙な現象について研究を続けた博士は、フィンランド人の食生活が「穀物中心」であり、ガン抑制の主役が実は食物繊維そのものではなく、「穀物繊維に含まれるIP6」であること、穀物繊維中心の食事がガンを減らしていたといった研究結果を発表しました。

 これがIP6という物質に世界中のガン研究者の注目が集まるきっかけでした。 

穀物外皮に含まれているIP6のさまざまな働き


IP6は米ぬかに含まれている
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このIP6という物質は、イノシトールというブドウ糖に類似した糖にリン酸が6個結合したもので、結合するりんの数によってイノシトール一リン酸から六リン酸まであります。

 イノシトール自身は私たちの体内にも広く存在していて、細胞の生存に不可欠な必須栄養素であり、細胞内で化学的に情報を伝達するなど、さまざまな生体機能を支える重要な物質なのです。

自然界では、IP6はお米や麦などの穀物・豆類の、主として外皮の部分に多く含まれています。
日本人には馴染み深いお米の場合も、白米になる胚乳部分ではなく、種皮などの、普段食用にしない「米ぬか層」の中に、全体の2-3%程度のIP6が含まれます。

 (図1参照)自然状態で、種は発芽するまで地中で長期間を過ごしますが、この間に胚乳を保護・保存するために、穀物の種皮には多くのIP6が含まれていると考えられるのです。

このIP6が私たちの体にもたらす効果については、
①ガンや動脈硬化などの病変を引き起こす「フリーラジカル」の生成を阻止する抗酸化作用
②がん細胞の発生と増殖の抑制作用
③血中コレステロール値の低減化、血液の凝固を抑制する血小板凝集阻止能
④腎臓結石などの結石の元となる不要なカルシュウムの除去作用
といった、主要な作用だけでも実に広範囲な効果が世界中の研究者によって確認・報告されています。

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今、注目される、IP6のガンの抑制効果


IP6のガンの抑制効果
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このIP6の抗酸化作用は、他の抗酸化物質に比べてもかなり強力であることが実験で証明されています。

次に、②で挙げたガン細胞の発生と増殖の抑制効果です。
これこそIP6の最も注目される効果だと思うのですが、IP6は動物実験などからガンになった細胞の細胞分裂を選択的に抑えるという効果を示したのです。

詳細なメカニズムについては省略しますが、がん細胞というのは、元来正常な細胞がいろいろな要因でガン化したものです。

IP6がそのガン化し始めたばかりの「がん細胞」に取り込まれると、発ガン細胞内のカルシュウム濃度が上がり、ガン細胞の増殖を抑制してガン細胞を大きくしない(制ガン効果)という、驚くような働きをすることが明らかになってきました。

また、人間には、遺伝子に傷が付きガンになりやすくなった細胞が、次世代に遺伝していくのを防ぐ役割を持った「ガン抑制遺伝子P53」遺伝子が組み込まれています。IP6はこの「ガン抑制遺伝子P53」を人体が生成する能力を最大約7倍に増強する、という実験報告もあります。

このように、IP6の「人体の持つ本来のガン防御機能を向上させる働き」に注目が集まっています。

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IP6に期待されるガンの治療効果

これまでにIP6の有効性が確認された癌細胞株

このガン発生の抑制効果は、シャムスディン博士によって確認された大腸がんを始め、私の研究では皮膚ガンに対して、また乳ガンや肺ガン、肝ガンなどの発生にも抑制効果があるという報告がなされるなど、実に多くのガンの発生を抑制する作用を持っています(表Ⅰ参照)。

さらに驚異的なのは「進行ガンの増殖を抑える働き」が、まだ動物実験の段階ですが証明されたという点です。

IP6は発生したばかりのガン細胞に対して増殖を抑制するだけでなくて、進行したガン細胞のもつ侵略的で旺盛な増殖力をも抑え込み、あたかも正常細胞のような性質の細胞に変えてしまうという、驚くような働きを持つことも最近分かってきたのです。

副作用の心配がなく、前述の抗酸化作用がもたらすガン発生を未然に防ぐという「予防」の働きが期待できるとして、IP6は世界各国の専門家からも大いに注目されています。

生活習慣病への予防効果も期待できるIP6

③に挙げた血中のコレステロール値の低下や血小板凝集阻止能というのは、いわゆる生活習慣病と呼ばれている動脈硬化や心筋梗塞といった心臓血管系の病変や、血栓症などの病変を予防する働きとお考え下さい。

 特に血小板凝集阻止能というのは、血をさらさらの状態にしてくれるということです。IP6は、血小板という血液の成分が血管内で固まって血栓となり、血管を塞いでしまうのを抑制するという作用を持つことが分かっています。

また、④で挙げたように、IP6は腎臓結石の原因となる不要なカルシュウム結晶の生成を抑えるとともに、蓄積した不要なカルシュウムを溶解し、尿と一緒に排出するという作用も確認されています。

IP6の有用性が明らかになってきたなは最近のことなのですが、今までお話してきた作用以外にも、IP6の持つ人体の生体防御機構を強化するという作用により、HIVウイルスによる細胞破壊の抑制などにも期待が寄せられます。

今後も研究が進むにつれ、さらに幅広い疾病への、臨床面での応用の可能性が広がっていくことでしょう。

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見直したい穀物繊維の豊富な日本の食文化

白米に発芽玄米を混ぜると食べやすく便利です
発芽した玄米なら、味が良いだけでなく、 IP6もさらに取り込みやすい状態に変化します。
白米に発芽玄米を混ぜると食べやすく便利です


このように優れた有用性が認められるIP6ですが、では、一体どのくらいの量を摂取すれば良いのかというと、成人で1日当たり2g程度。もちろんこれ以上多くても問題はなく、IP6の安全性については、1日8gを長期にわたり摂取しても全く問題がないことが確認されています。

また、IP6は米ぬかからの抽出物として入手できます。

私たちが日常生活の中でIP6を摂取する方法としては、玄米を食べるのが1番手軽でしょう。

しかし、小俺を毎日となると、玄米は炊き方が難しいうえ、白米を食べなれた人には、味の点で物足りなさがあります。

ですから、毎日の食生活を玄米に切り替えていくのは、なかなか難しいでしょう。

そこで注目したいのが、「発芽した玄米」です。玄米は30度程度のお湯の中に1昼夜寝かせておけば発芽するのですが、発芽した玄米内では酵素が活性化し味が良くなるだけでなく、IP6も人体に取り込みやすい状態に変化します。

最近では、白米に混ぜるだけで手軽に炊ける、発芽した玄米もあります。こうした食品なら、日常の食事にも取り入れやすくていいですね。

実は、私の実家は造り酒屋でして、お米とは縁が深いのですが、昔は精米するときにも「5分づき米」や「7分つき米」など、精米の度合いを加減して、ぬか層を残したお米を食べる食習慣がありました。

精米機の普及が日本人の健康を駄目にしたという見方もあります。

昭和の始め、東北のある地方では玄米食に戻ることにより住民の健康が著しく改善したという研究も残っています。

「玄米は体に良い」ということを、昔の人は経験的に知っていたのでしょう。

玄米にはこれ以外にもビタミン類やミネラル、ギャバ(γーアミノ酸)などのアミノ酸類も豊富ですから、こうした栄養素による健康増進効果も期待できます。

さらにIP6と緑茶の組み合わせ、併用が大腸がんの抑制に高い効果をあげたという実験結果も報告されています。

緑茶と玄米食、日本伝統の飲み物と食べ物の組み合わせが、ガンの予防に大いに貢献していたというのも興味深いことですね。

こうした先人のお米の食べ方に対する知恵や、玄米・ごまといった穀物繊維の豊富な日本の伝統的な食文化を見直し、今一度食生活の中に取り入れてみることをお勧めしておきたいと思います。

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